とびら
思い込みを排し,ありのままの障害像を
半田 健壽
1
1東北大学医学部附属病院鳴子分院
pp.667
発行日 1989年10月15日
Published Date 1989/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102865
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最近の某新聞に,ある轢(ひ)き逃げ事件の容疑者が十数年間にわたる裁判の末,無罪の判決を受けた記事とその事件での,十分な証拠の無いままの度重なる過剰な見込み捜査を行なったことに対する警鐘の論説とが掲載された.事件の詳細はともかく,この事件については容疑者の法的名誉回復が図られた.しかし,この人の失われた長時間に及ぶブランクを取り戻すための社会的リハビリテーションはまだこれから先になるとのことである.
私ども,理学療法士の日常活動の中に,このような憶測や偏見を是正しないまま事を運んでしまっていることは無いだろうか!?
理学療法士の思考過程を評価・計画・実行・反省という一連の診療を通して点検してみると,憶測や偏見が何と多いものかと驚くことが多い.
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