焦点 ひらかれゆく当事者ケア
「逝かない身体」と「逝かない心」の声
川口 有美子
1,2,3
1有限会社ケアサポートモモ
2NPO法人さくら会
3日本ALS協会
pp.296-298
発行日 2010年4月25日
Published Date 2010/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101440
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私は,ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者会と難病支援のNPO法人,それに人工呼吸療法対応のヘルパー派遣事業所を経営しています。昨年12月に初の単著『逝かない身体』を上梓しました。本書は,ALSに罹患した実家の母と周囲を取り巻く家族や人々の12年間の変遷を描いたものです。ぜひ,お手にとってオレンジ色の装丁をご覧ください。母の葬儀の夕刻に突如現れて私を感動の渦に巻き込んだ夕焼け空です。火葬されたばかりの母があの雲に溶け込んでいるとの想いで夢中で撮影したのですが,その時の空は「長いこと,よくがんばったね」というメッセージに溢れていました。これは,家族を背後で支えて幸福のうちに看取らせてくれた地域の専門職やヘルパーさんたちが見せてくれた風景です。これから彼らの支援の秘訣をお話しします。
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