連載 評価から始める教育活動・3
状況性を学ぶ技術演習―「個に応じた口腔ケア」の教育評価
新地 裕子
1
,
久志 篤子
2
,
梶原 順子
3
,
田村 和子
4
,
平山 政子
5
1独立行政法人 国立病院機構 小倉医療センター看護部
2那覇市医師会那覇看護専門学校第一看護学科教務課
3独立行政法人国立病院機構横浜医療センター附属横浜看護学校
4大和高田市立看護専門学校
5済生会宇都宮病院看護専門学校
pp.238-242
発行日 2010年3月25日
Published Date 2010/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101428
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はじめに
看護実践能力の育成に向けて,看護基礎教育での看護技術教育においては,試行錯誤が重ねられている。看護技術は,対象および状況によって異なる性質を持ち,その時々の対象の反応,状況をみながら行動を修正しながら行う必要がある技術である1)。筆者らは,この「状況性」をその対象の身体的・心理的背景だけでなく,対象の置かれているその場その時の時間的・空間的状況や人間関係をも含むプロセス概念として捉えた。
これまでの看護技術教育では,患者─看護師関係のもとでの状況の読み取りや判断を踏まえたケアの決定に関する思考判断力の育成に関わる教育内容と評価が扱えていないという問題意識から,日常生活援助技術の「口腔ケア」を取り上げ,『個に応じた口腔ケア』を学ぶ教育内容と評価を検討した。本稿では,対象の状況性の判断とケア決定における思考力を育成するため,教育内容と評価の考え方を中心に述べ,批判を仰ぎたい。
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