特集 看護教育の臨床への継続―神奈川県の教育研修から考える
看護職としての種と育てる畑―コーディネーターとして関わった経験から
屋宜 譜美子
1
1(仮)天理医療大学設立準備室
pp.189-193
発行日 2010年3月25日
Published Date 2010/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101417
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ある教員研修会での「嘆き」
2007(平成19)年の夏は看護教員にとって多忙を極めた。2009(平成21)年施行の看護師等学校養成所指定規則の改正に伴い,各々の機関の教育課程の検討,再編成しなければならなかったからである。看護師養成課程では,臨床実践に近い形で学習し,知識・技術を統合させるという意図で統合分野が新たに設けられ,卒業単位数が4単位増加し,「看護の統合と実践」の科目運営,新たな実習をどのように運営するか,複数受け持ち制,夜勤実習などを受け入れてくれる実習施設の獲得という難題に取り組まなければならなかった。加えて,社会の変化に伴い,より重要性が増していると考えられる教育内容の充実として医療安全,国際看護,災害看護などの教育方法を決定していかなくてはならなかった。
私はこうした教育課程再編をリードするベテラン教員を対象とする教員研修に,講師として関わった。ベテラン教員たちは,看護基礎教育の充実を目指して熱心に研修した。国の教育課程改正の意図の理解に取り組み,意図されたことをそれぞれの教育機関で現実のものとするうえでの課題整理,課題解決に向けたグループワークに取り組んだ。専門職として主体的に看護を生涯学習していく基礎的能力を養わなくてはいけない。それでなくても,演習・実習科目が多く1単位の教育時間数が膨大な詰め込み教育ともいわれているところに,さらに単位数,教育内容を増やし,3年間の制約のなかでどのように教育したらいいのかと悩んでいた。
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