これからの医療と医療制度・17
ケア・コーディネーター
寺崎 仁
1
1日本大学医学部医療管理学
pp.1046-1047
発行日 1995年5月10日
Published Date 1995/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903675
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先月号では介護保険の話題について書いたが,もしわが国に何らかの介護保障制度が創設された場合には,「ケア・コーディネーター」のような職種は極めて重要な役割を担うものと考えられている.「ケア・コーディネーター」は,「ケース・コーディネーター」や「ケア・マネジャー」とも呼ばれ,障害者や要介護老人への公的なケア・サービスの提供を,総合的に調整する職種あるいはチームを意味するものである.現在のところわが国では,このような職種についての資格などが制度化されておらず,明確な位置づけなどもまだ決められてはいないが,おそらく前述のような機能を有する職種や組織を指すものと考えられる.
具体的にどのような仕事をするのかを医療を例に説明すると,医療においては,医師が患者を診察しその所見に基づいて必要な検査や治療法などを選択し,それらを医療サービスとして患者に提供している.そして,健康保険という極めて公的性格の強い制度下でもその仕組みは堅持され,医師の裁量権として,第二の税金ともいわれる公共の医療保険財源を個々の患者に配分する権限を有している.
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