特集 2010年看護教育の課題
看護の大学教育が向き合う課題―日本看護学教育学会交流集会でのやりとりから
土屋 八千代
1
1宮崎大学医学部看護学科
pp.21-25
発行日 2010年1月25日
Published Date 2010/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101376
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はじめに
■夏のニュースに「またカリキュラム改正?」
多くの看護系学校は,2009(平成21)年度入学生から新カリキュラム(以下,新カリ)を施行している。昨今の医療環境の変化にともなって改正されるカリキュラムについては,筆者は看護教育の大学化の期待をもっていた。これは医学教育に卒後の研修制度が設けられ,薬剤師教育が6年となった今日,共に医療・保健を担う専門職を指向している看護職としては時代の要求でもあると考えていた。しかし,改正された保健師助産師看護師学校養成所規則(以下,指定規則)では,専門分野の構造の変更や統合科目の設置などでの単位の増加が提示されたのみで,期待した内容ではなかった。
とはいえ,指定規則変更にともなうカリキュラムの変更は国家試験受験資格の条件でもあることから,当校においても時間をかけて検討を重ね,本年度入学生より導入した。その直後の7月,議員立法による保健師助産師看護師法(以下,保助看法)の一部改正が報じられた。いち地方で教育に携わっている筆者にとって,看護協会の号外で出されたこのニュースに青天の霹靂のようなショックを受けた。本音として「なぜ今頃?またカリキュラム改正?」であった。
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