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教師にとって研修とは―日本看護学教育学会ワークショップ印象記
布施 千草
1
1千葉労災看護専門学校教務課
pp.194-197
発行日 1995年2月25日
Published Date 1995/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901070
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ワークショップに参加した理由
私を変えた1冊の本がある.著者は,ペスタロッチ賞をとられた国語教師の大村はま氏である.少し長いが以下に引用してみよう.
「研究する,研修するということには,私たちがそうした力をみがくということだけでなく,もう一つ,たいせつな意味があります.それは,私たちが子どもたちと同じ天地にいるためのくふうの一つでもあります.研修はつらいし,やってもやっても急には効果が上がらないし,わかったような,わからないような,やってみようと思うとわからなくなったり,さまざまな苦労があります.そして少しの喜びもあるものです」「子どもというのは,身の程も忘れて,伸びようとし,伸びたいと思っている人なのです.(中略)そういう,子どもの持っている切ない伸びたい気持ち―本人は意識していないでしょうけれど―,そういうものを私たちが意識して,同じように研究や学ぶことの苦しみ,そして少しの喜び,そういうことを感じ得ていることだと思います」「研修会もただ,その内容が私たちの足りないところを補うということだけでなく,学ぶことの苦しみと喜びをかみしめ直し,少年の指導者の資格を確かにしあう機会として見なおしたいと思います.『教師と研修』はこういう意味で,切り離すことのできないものであることを改めて考えたいと思います」1)
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