特別記事
新カリキュラムから生まれた大学4年間を通して学ぶシナリオ教材―京都橘大学「橘薫の一生」の試み
河原 宣子
1
,
相羽 利昭
2
,
伊藤 恵美子
1
,
飯降 聖子
1
,
堀 妙子
1
,
梶谷 佳子
1
,
鈴木 要子
1
,
高橋 みや子
1
,
前原 澄子
1
1京都橘大学看護学部
2元 京都橘大学看護学部
pp.1096-1101
発行日 2009年12月25日
Published Date 2009/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101362
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
はじめに
2005年度に開設された京都橘大学看護学部(以下,本学部)は,翌年からカリキュラム検討委員会を中心に,より質の高い教育を目指した新しいカリキュラムの検討を行ってきた。そして,2009年度入学生から,新カリキュラムによる教育を実施している。
看護基礎教育のカリキュラムは,人間の生涯発達が重要な基軸となっている。小児看護学や成人看護学,老年看護学といった「ライフステージ」別科目と,すべての「ライフステージ」を網羅している科目として精神看護学や母性看護学,地域看護学等の科目が設置されている場合が多い。今回,本学部で考案した新カリキュラムでは,「ライフステージ」と共に人の誕生から死までを連続して捉える「ライフサイクル」に着目した。「ライフサイクル」を基盤とすることによって,より体系的な学習と,学士課程における看護教育の特質の一つである「保健師・助産師・看護師の三職種統合教育」が可能となると考えた。そこで,新カリキュラムでは「ライフサイクル」を基盤とした新しいスタイルの科目を設置した。さらに,「ライフサイクル」の理解を深める目的で本学部独自のシナリオ教材を用いた授業展開を考案した。
本稿では,本学部の新カリキュラムとシナリオ教材作成の過程を紹介する。なお,教材作成については,2008年度京都橘大学教育開発支援助成を受けて実施した。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.