連載 看護師が学ぶ「性の健康」教育・8
2009年のHIV/AIDS対策と教育―進歩と残された課題
堀 成美
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1聖路加看護大学看護学部基礎系看護学・看護教育学
pp.780-781
発行日 2009年8月25日
Published Date 2009/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101287
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私がエイズと関わり始めたのは,大学を出た後に入学し直した看護短大の学生の時代です。このときショックだったのは,感染症の対策に必須の「感染源」「感染経路」といった感染制御のための情報が明確になっているにもかかわらず,新聞報道には“診療拒否”のニュースが相次いでいたことでした。専門職さえ拒否する感染症は,専門知識の届かない一般世間にはどのように受け止められたでしょうか。
その後,治療や検査の技術が大きく進歩し,HIV感染症のイメージや位置づけは先進国では大きく変わりました。それに連動し,世界水準では予防のアプローチや教育も変わったのですが,他国から日本は「治療の進歩に他の領域が追いついていない」と言われ,予防やケアの課題が指摘されています。
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