フロントライン 2002 HIV看護
HIV/AIDSの20年—看護の課題はどう変わったか?
有馬 美奈
1
,
千葉 史子
1
1都立駒込病院看護部
pp.942-947
発行日 2002年10月1日
Published Date 2002/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906105
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はじめに
HIV感染症とは,HIV(human immunodeficiency virus)=ヒト免疫不全ウイルスが,免疫機能に大きく関与しているCD4陽性細胞に感染し破壊することで免疫不全を引き起こし,通常発症しないさまざまな日和見感染症や悪性腫瘍を合併する疾患である.この日和見感染症などをおこした状態がAIDS(acquired immunodeficiency syndrome)=後天性免疫不全症候群である.
1981年,ロサンゼルスで5人の若い男性患者のニューモシツチス・カリニ肺炎(PCP)やカポジ肉腫による死亡例が報告され,翌年CDC(米国疾病予防管理センター)が一連の症状を示す患者を,原因不明の免疫不全症として「AIDS」と命名した.1983年にはこの原因となるウイルスは「HIV」であることが発見され,1986年からはAIDSの原因ウイルスはHIVと統一されるようになり現在に至っている.
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