実践報告
在宅看護演習を対象とした授業設計とその教育評価―創造的な看護実践者の育成をめざして
榊原 千佐子
1
,
石井 成郎
2
,
須加 京子
3
1北海道文教大学人間科学部看護学科
2愛知きわみ看護短期大学看護学科
3愛知医科大学看護学部
pp.747-753
発行日 2009年8月25日
Published Date 2009/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101279
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はじめに
看護基礎教育のカリキュラムは,平成元年には「老人看護学」,平成8年には「在宅看護論」および「精神看護学」が追加され,平成21年度のカリキュラム改正では,「在宅看護論」は統合分野として位置づけられた。統合分野は今回のカリキュラム改正の目的である「看護実践能力の向上」をめざし設定されたものであり,看護基礎教育は時代の変化とともに変化してきた。
今回のカリキュラム改正の「在宅看護論」では,対象の多様な価値観・生活背景を尊重しながらその人らしい生活ができるよう援助する教育内容になっている。そのため対象に応じた幅広い総合的な判断力と複眼的な思考の向上を目標とした創造性を高める学習内容が求められている。そして看護サービスの求められる内容は,療養者のさまざまな生活場面に対応したものであり,今までの慣例的な看護援助方法だけではなく,利用者ニーズに適切かつ柔軟に対応する「創造的な看護実践者」を育成することが求められている1)。今回,短期大学において創造的な看護実践者の育成を視野に入れた教育実践として,在宅看護演習でグループ学習を通じて,限られた材料による自助具を製作し,自助具を用いたロールプレイを実施した授業実践と教育評価を行ったので報告する。
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