特集 学習支援で学生を変える―取り組みの必要性と効果
看護のFDという視点からの学習支援の必要性
佐藤 禮子
1,2
1兵庫医療大学
2兵庫医療大学看護学部
pp.574-578
発行日 2009年7月25日
Published Date 2009/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101234
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はじめに
わが国の看護基礎教育機関は,大学から専修学校までと多様である。また,看護学を教授するシステムも単一ではなく,看護教育の結果は,即国家資格である免許に直結することを踏まえて,一層複雑な様相を呈している。
筆者は,わが国の医療を支える看護専門職者を育成する看護教育は,すべてが高等教育に位置する機能を果たす必要があると考えている。従って,本テーマは,大学,専門学校を問わず,全ての看護教員にとって普遍の課題である。実践の科学である看護学は,看護を実践する者が具現する,即ち,具体的に実際に看護を実施して初めて価値が認められるものであり,看護を実践するためには免許が必要不可欠である。つまり,免許の名の下にその責務が遂行され,社会的価値が問われるものであるということは,看護専門職者を育成する看護教育に携わる者は,どのような教育の場や状況にあろうとも,等しく本テーマを共有する立場にあると考えているわけである。
本稿では,テーマの内容を,「『看護のFD』という視点」「看護学生に必要となる『学習支援』とは何か」「教員の学習支援能力を維持・向上させるFDとは」の3つに分け,それぞれについての考えを記述する。
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