資料 第98回看護師国家試験 解説
出題形式が大きく変化した国試傾向から今後の課題・対策を考える
臼井 陽子
1
1成田赤十字看護専門学校
pp.508-510
発行日 2009年6月25日
Published Date 2009/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101218
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第98回看護師国家試験(以下,国試)は2009年2月22日に実施された。3月26日の発表を見ると合格率は89.9%であり,昨年の90.3%をやや下回ったが,ほぼ同様といえる。また問題の難易度を去年と比較すると,やや難しいと見えるが,難問や奇問はかなり少なく,全体としては概ね妥当だと考える。
しかし今回の国試は,今までには見られなかった,以下のような大きな変化があった。
1)問題の配置が変わり,必修問題をはじめ全ての出題基準において,問題は午前と午後にほぼ2分割に配置(午前,午後共に必修問題15問,一般問題75問,状況設定問題30問で合計120問を2時間40分で実施した)。
2)昨年までの出題形式が変化した(表)。四肢択一問題のみから,今回より導入となった,①五肢択一問題(午前は一般問題・状況設定問題2問,午後は一般問題3問,状況設定問題2問出題された),②五肢択二問題(午前なし,午後のみの出題で一般問題7問,状況設定問題3問出題された),③視覚素材を用いた問題(2題)があった。
これらの変化もあり,一般・状況設定問題のボーダーは64.4%(97回66.7%,96回72.1%)であり,一昨年から徐々に低くなっているが,これも妥当といえる。
本稿では必修問題を中心に「新導入問題や特徴的な問題について検討し,今後の学習対策について考える。
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