連載 教育の地平線・2
―「大切なのは,医療者が患者に“敬意を表しながら寄り添う”こと。“情報の共有に有効な言葉を使う”こと」―看護コミュニケーションを底支えするポライトネス・ストラテジー 吉岡泰夫さん
本誌編集室
pp.185-189
発行日 2009年3月25日
Published Date 2009/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101146
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「相互作用」がなければ「コミュニケーション」ではない
──昨年来,新聞などの報道で世間の期待を集めている“「病院の言葉」を分かりやすくする提案”の基本的な理念として,吉岡先生が提唱される「ポライトネス・ストラテジー」がありますね。
吉岡 言語学,心理学の学際的分野のコミュニケーション理論として,ポライトネス理論〔Brown P,Levinson S:Politeness:Some universals in language usage. Cambridge University Press. 1987.表にB&Lとして引用〕があります。ポライトネス理論とは,かみくだいて言えば「われわれ人間が他者と良い関係を築いて円滑なコミュニケーションを図るためには,相手の気持ちにどのように配慮すればいいか,どんなコミュニケーション方略で相手に接していくと,調和のとれた良い人間関係が築けるか」を探究する理論なんです。
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