連載 スクリーンに見るユースカルチャー・22
退屈の対処法
小池 高史
1
1横浜国立大学大学院\環境情報学府
pp.523
発行日 2008年6月25日
Published Date 2008/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100940
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かつてショーペンハウアーは,人間の幸福の二大敵手は「苦痛」と「退屈」であると言ったが,学校を舞台とした映画においてもこの2つのどちらかが(あるいは両方が)テーマとなることが多い印象がある。
今回は,「苦痛」のことは横に置いておいて,「退屈」のことを考えてみたい。学校で退屈なことといったら,やはり授業であろう。映画『ユビサキから世界を』の主人公である4人の高校生は,退屈な授業に嫌気がさし,集団自殺することを計画する。その計画は,授業中に携帯メールのやり取りで提案され,決定されたものだった。そのメールの送受信は,退屈な授業を行なっていた教師に見つかり咎められる。
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