Nursing EYE
看護学生の「社会福祉意識」にもとづく授業運営の視点
口村 淳
1
1滋賀県済生会看護専門学校
pp.1010-1014
発行日 2007年11月25日
Published Date 2007/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100812
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■はじめに
教科「社会福祉」注1)は,看護基礎教育課程の「社会保障制度と生活者の健康」というカリキュラムの一環として位置づけられている。重要な教科であることはわかっていても,看護・医療系の教科を主体として履修する看護学生にとって,「社会福祉」は領域外の教科と捉えてしまいがちではないだろうか。1998年に小林1)が,看護学生274人に対して行った福祉関連科目に関する意識調査の結果によると,「社会福祉に関心がある(「ある程度関心がある」を含む)」と答えた学生が65.7%,社会福祉の授業が「必要である(「ある程度必要と思う」を含む)」と答えた学生が82.3%みられた。しかし一方で,自身が社会福祉の知識をもっているかという質問に対しては,「もっていない(「あまりもっていない」を含む)」と回答した者が全体の99.3%を占めた。つまり,社会福祉の知識は必要であると認識しているものの,自身はそれらをもちあわせていないと認識している学生が多いことが明らかになっている。
そこで本稿では,看護学生が興味をもって「社会福祉」を学べるよう,授業運営における工夫について述べたい。最初に,筆者が学生に対して行っているアンケートの結果を題材とし,最近の看護学生の,社会福祉に関する意識(以下,「社会福祉意識」)を概観する。その結果を参考に,筆者の実践例を交えながら,授業運営におけるいくつかの提案をしたい。
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