特集 医療安全教育─カリキュラム改正をにらんで
総合実習の取り組み
田中 博子
1
,
山本 恵美子
1
,
日本医科大学看護専門学校カリキュラム委員会
1前日本医科大学看護専門学校
pp.807-812
発行日 2007年9月25日
Published Date 2007/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100767
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はじめに
新卒看護師の早期離職が増加している原因は,看護基礎教育と臨床で求められる能力との乖離だといわれている。新卒看護師は,学ぶことが中心だった学生という役割から看護師という役割を果たさなくてはならず,不安を抱きながら業務にあたっていることは確かだろう。
日本医科大学看護専門学校では,「ロールトランジション(役割移行)」を学生時代に経験しておくことで,新卒看護師が抱く不安の解消につながるのではないかと考え,2006(平成18)年から,卒業前に総合実習を取り入れている。この総合実習では,複数の患者を受け持ち優先度を考え,時間の管理を行いながら業務を実践するなど,専門職としての責任と役割を臨床の場で学習している。この実習は,今回のカリキュラム改正案の統合分野の臨地実習に位置づけることができるのではないかと考える。そこで,今回,2年間の総合実習の取り組みをまとめ,その実際を報告する。
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