特集 医療安全教育─カリキュラム改正をにらんで
国家試験問題を素材にこのように教えている
小林 美香子
1
1山田赤十字病院研修センター
pp.800-806
発行日 2007年9月25日
Published Date 2007/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100766
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はじめに
本年4月,新しいカリキュラム案1)が公表され統合分野の「看護の統合と実践」の教育内容に医療安全の基礎的知識が盛り込まれた。山田赤十字看護専門学校(以下,本校)では2005年2月から2006年3月までの約1年間,現行のカリキュラム内での医療安全教育を実施した。医療安全教育の開始に際しては,医学書院主催の「看護教員実力養成講座」(講師:川村治子氏)に参加し,「医療安全教育の教え方」について準備をすすめた。本校は2006年3月に閉校したが,2005年度に最終学年となった学生に対して,成人看護学(周手術期)実習のなかで重点的に医療安全教育を展開し,実習のなかでの医療安全教育が実施可能であることを確認した。
現在は閉校に伴って新設された研修センターにて,卒前と卒後をつなぐ役割を果たすために医療安全の視点から「看護師国家試験対策学習会」の開催や,「看護師国家試験対策支援通信」の定期発行をしている(→コラム)。「看護師国家試験対策支援通信」の読者対象は最終学年の看護学生であるが,感想を寄せてくださる方の多くは看護教育に携わる方々であり,意外な読者層の存在に驚いている。
本稿では,①第96回看護師国家試験問題を素材にした医療安全教育のすすめ方,および,②実習を含めた医療安全教育の教え方について紹介することとした。
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