連載 プラトンからはじめる教育学入門・2
分析的な対話が教育学のスタート
山口 栄一
1
1玉川大学教育学部
pp.758-761
発行日 2007年8月25日
Published Date 2007/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100755
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もう一つの学び方
●学ぶには,受容・理解,社会的適応の側面があるが……
教育学入門のような講義では,「教育とは何か」という問いが出され,すぐれた思想の紹介がそれに続くものです。こうした展開は,ともすると,学習者に,それを理解し,受容することが正しい学び方であるという態度を育てます。高校までの教科書を中心とした授業は,こうした態度を強化しているのです。
最近,二人の思想家の考えをまとめたある学生に対し,私が「で,どちらが正しいの? きみはこれをどう思っているの?」とたずねたとき,この学生が「え!?私のような未熟な者が,そんなことを言っていいのですか?」と答えたことがあります。これなどは,まさにその典型です。
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