連載 新カリキュラムを追って・1【新連載】
さらなる看護基礎教育の充実を考える
浅田 匡
1
1早稲田大学人間科学学術院
pp.651-655
発行日 2007年8月25日
Published Date 2007/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100720
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
看護教育を専門とはしないが,「看護基礎教育の充実に関する検討会」メンバーとして参加させていただいた経験を踏まえて,本稿では看護基礎教育のさらなる充実を進めるための考えを述べてみたい。
看護の専門性と看護技術 まず,本質的な問題は看護師の専門性とは何かということである。看護師は,人に対するケアを中心とした専門家と捉えられる。ほかに,医師,教師,助産師,ソーシャルワーカーなどが同様の専門家である。これらの専門家は,いつも相手の状況や状態を判断して何かしらの行動を行う。たとえば,「患者にとって快適な病床環境」としてのベッドメーキングができるという看護技術は,一人ひとりの患者にとって快適であることを判断することを含む高度な技術である。これは,ベッドメーキングを行うという技術を含みながら一人ひとりの快適さをどう捉えるかという判断過程を含む。したがって,患者の存在しないベッドメーキングをくり返し練習するだけでは獲得できない技術である。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.