論壇
充実した教育と具体的目標を
尾辻 省悟
1
1鹿児島大学病院中検部
pp.292-293
発行日 1973年3月15日
Published Date 1973/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908015
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私が検査技師と直接かかわりあいをもったのは昭和35年だからやがて13年も前のことになる.私はその頃,米国のある病院で研究に従事するかたわら,臨床病理の分野でも仕事をもっていた.病理解剖,外科病理,臨床化学,臨床血液学などまったく息つくひまもない程のルーチンをかかえて夢我夢中であったことを思い出す.異質の体系の中で,しかも臨床病理学の教育をまったくうけていなかった者にとっては苦労の連続で,毎日技師諸氏のお世話になったものである.
その後,わが国の臨床検査の分野で働くことになったが,初めはそのギャップに悩みぬいた.しかし何かを創り出そうとする悩みは一面むしろ楽しいもので,技師諸氏との接触を通して教育そしてその標準化の重要性,技師として自己の‘領分’における責任と自覚,そして‘協力’の必要性を機会ある毎に説いてきた.
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