看護教育研究
助産師教育におけるコア内容の検討―デルファイ法に準じた認識調査から
亀田 幸枝
1,7
,
島田 啓子
1,7
,
北川 眞理子
2,7
,
佐藤 弘子
3,7
,
高橋 弘子
4,7
,
平澤 美恵子
5,7
,
野田 洋子
6,7
1金沢大学大学院
2名古屋市立大学看護学部
3国立病院機構富山病院
4愛知県立看護大学
5日本赤十字看護大学
6岐阜大学
7全国助産師教育協議会教育制度委員会
pp.442-447
発行日 2007年5月25日
Published Date 2007/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100670
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
看護教育の大学化にともない,助産師教育は学士課程において課程選択,または選択科目として位置づけた大学が多い。大学における助産師教育は,保健師助産師看護師(以下,保助看)指定規則1)のほかに,文部科学省の通達などによる大学の大綱化によって,いくつかの問題が表出している。なかでも統合カリキュラムに伴う過密さや実習時間の短縮は,助産師学生の卒業時に修得すべき実践能力の不徹底という実態として,報告されてきた。また,それらは今日の教育制度そのものが抱える問題と相まって,教育方法や教育資源,教育環境,教育者の能力などの問題も関与していると思われる。
しかし,たとえ問題があるにしても,助産師教育に携わる教育者や実践者は助産師教育修了時の学生に,助産師としての基礎能力を保証する責務があると考える。したがって,これらの諸問題は,助産師界全体で助産師教育や継続教育などのあり方を論議する必要がある。
全国助産師教育協議会教育制度委員会(以下,当委員会)では,時代のニーズや動向に対応できる助産師教育に必要とする基本的な教育内容(コア)について検討した。この検討の意図は,各教育機関の教育理念や目標のあり方を拘束するものではなく,助産師教育に何が必要かについて関係者のコンセンサスを得ることを目的としている。助産師の実践能力に必要であると提言されている内容2)を骨子に,これらの内容が「助産師教育のコア内容」として“同意できるか否か”について調査し,検討したので,その結果を報告する。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.