特集 全国助産婦学校学生研究論文集・3
長崎県内における助産婦の業務内容およびその認識についての検討
橋本 富美子
1
,
原田 久美子
1
,
宮崎 民子
1
,
森谷 みどり
1
1長崎大学医学部付属助産婦学校
pp.45-50
発行日 1972年8月1日
Published Date 1972/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204398
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1.はじめに
現在,助産婦の業務は分娩の介助を中心に,妊娠から分娩産褥に至るまでの一貫した指導管理ができるという業務をもとに,思春期,未婚期においては,将来の生活設計に意義をもつ結婚,妊娠,分娩,育児に関しての知識をもたせることにより母性機能の円滑な成長を促し,また更年期,老年期においては成人病の予防,更年期症状の緩和,精神衛生の向上をはかるなどということにより「母性の一生の健康管理者」という役割を占めねばならないような重要な立場にあります。
しかし現状をみてみるとその業務内容,認識の点においては種々の問題点を含んでいます。つまり①助産婦の業務はいまだに確立されていないのではないか ②助産婦は妊娠,分娩,産褥の範囲のみの活動にとどまり業務内容,その認識にも進歩がみられないのではないかという仮説のもとに私たちは長崎県内就業助産婦の業務の実体を知り年齢的な差,開業助産婦,勤務助産婦との差,種々の事柄に対する認識度などについて知り今後の助産婦業務の手がかりにし,望ましい助産婦のあり方を考えてみたいと思いこの研究にとりくみました。
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