連載 看護教員の資質向上をめざして 都立看護専門学校における取り組み④
長期臨床研修(3か月間)の実施とその結果
佐藤 治代
1
,
網野 寛子
2
,
矢代 純仁
3
,
宮本 宗一郎
4
,
林 慶子
5
,
斉藤 茂子
6
,
雑賀 美智子
3
,
瀬下 文子
7
,
成瀬 かおる
8
1青梅看護専門学校
2北多摩看護専門学校
3荏原看護専門学校
4前広尾看護専門学校
5松沢看護専門学校
6府中看護専門学校
7南多摩看護専門学校
8広尾看護専門学校
pp.502-506
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100420
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はじめに
看護の場の拡大とともに,医療安全対策,静脈注射をはじめとする看護技術の質の保証,患者の権利擁護など,医療看護の現場はめまぐるしく変化している。人々のニーズに沿った良質な看護サービスの提供が求められ,看護職員の育成は量から質へと転換している。
看護職員の育成は,看護基礎教育の役割が極めて重要であり,その主要な担い手である看護教員の資質の向上が重要な要素となる。看護教員に求められる能力のひとつである看護能力の維持向上は,教員の自己研鑽だけでは限界があり,学校としての支援策の制度化が必要である。
現在,都立看護専門学校では,在宅看護論および精神看護学を担当する教員の専門領域における臨床経験が少ない状況がある。また臨床ブランクの長い教員が多く,最新の臨床現場の状況把握が困難,看護実践力の低下,看護実践者としての瑞々しい看護体験の不足などにより,教育活動において不安を感じる教員がいる。看護教員が教育者としての経験と視点を持ち,自由に臨床現場に出入りし,責任を持った看護が実践できる場が保障されることは重要であり望まれる。
都立看護専門学校は,看護能力向上の支援策のひとつとして臨床研修を制度化し,15年度から開始,短期(8~12日)臨床研修は36名,長期(3か月)臨床研修は3名が終了した。
看護教員の研修の体系化と短期臨床研修(中間報告)に関しては,前号までに報告したとおりである。今回は,長期臨床研修の概要と実施,結果について報告する。
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