連載 わがままな漫画・6
おめでとうの向こう側
横谷 順子
pp.507
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100421
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産婦人科が舞台の漫画は山ほどある。「産む」こと「生まれる」ことは女にとって,とても大きなテーマだから。でも,だから「生まれておめでとう」の漫画は描かれ過ぎて,正直辟易していて,描きたくないもののひとつだったけれど,初めて「描きたい!」と強く思って描いたものがある。
それは,あるナースの先生のホームページに載っていた実話で『偶然同時刻に隣り合わせた分娩室で,お互いの産声を聞いて出産した2人の女性。A子さん(元ナースだったりする)は,健康な子を生み,B子さんの子は小児ICUへ運ばれたけれど,亡くなってしまう。そんな2人が出産後,空きベッドの都合で,これから出産を控えているハイリスク妊婦たちの部屋に一緒に戻されてしまうのだ』これだけだとあまりにも残酷で,病院の不手際を嘆くだけなのだが,その後がもう,目から鱗の感動秘話。
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