連載 ユースカルチャーの現在・46
自己洞察と他者理解―義家弘介『不良少年の夢』(光文社)を読む
渡部 真
1
1横浜国立大学教育人間科学部
pp.406-409
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100407
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
登場人物
A 大学教師(教育関連学部で社会学を教えている。50歳代,男性)
B 大学生(教育関連学部の4年生。20歳代,男性)
はじめに
A 今回は,義家弘介さんが書いた『不良少年の夢』という本を取り上げましょう。2003年5月に光文社から刊行されています。義家さんは,現在,北海道にある北星余市高校という私立高校の教師をしている方です。1971年生まれですから,今年33歳です。
B どんな本なんですか?
A 本の表紙に「全国から集まってきた高校中退者や不登校生と共に戦う“元不良”だった教師の熱き挑戦!」という紹介がのっています。
全体が8つの章から構成されていて,内容的には,大きく2つに分かれます。前半は,「I was born……」「暴走,そして破滅……」「暗闇の中で光を求めて」「約束の場所」「不良少年の夢」の5つの章で,義家さんが北星余市高校の教師になるまでの個人史が描かれています。後半は「北星余市高校」「初めてのクラス担当」「残されたほんの少しの時間」の3章で,彼が1999年に母校の教師になってからの生活が記述されています。義家さんは,この本を出したあと,『ヤンキー母校に生きる』(文藝春秋,2003年)という本も出していて,テレビドラマにもなりました。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.