看護教育研究
聴き手(看護師)の態度・行動が話し手(クライエント)の情動反応に及ぼす影響と発話促進効果について―共感的理解「受容的態度の技術」の視点から
永野 ひろ子
1
1静岡県立大学短期大学部
pp.822-825
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100373
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はじめに
看護の基礎教育課程における臨地実習は,学生が,学内で習得した知識・技術を看護の実践の場で適用することにある。そして,学生が主体的に患者にはたらきかけ,そこで得た情報を分析・統合し,科学的根拠にもとづいた看護実践ができることを目的としている。しかし,多くの学生にとって,自ら受け持ち患者に接し,コミュニケーションをとることは,容易なことではない。一方,看護の現場では心理的不安(終末期看護の死別体験者に現われる悲嘆反応や,不安障害,気分障害等)を伴った患者が多く,そこでは共感度の高い看護師のコミュニケーション能力が求められる。
本研究は,先行研究(永野・2000)で確立した「共感的理解尺度」において,因子の得点が最も高く示された「受容的態度の技術」の視点から,看護師の態度・行動がクライエントの情動反応に与える影響と,クライエントの発話促進の効果を明らかにすることを目的としている。
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