特集1 看護学生の論文 入選エッセイ・論文の発表
論文部門
老齢期患者の膝関節手術後の離床期までにおけるトイレ動作について―トイレ動作にかかる時間と疼痛の検討
中野 健
1,2
1新潟県立看護大学
2自治医科大学附属大宮医療センター集中治療部
pp.669-673
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100342
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はじめに
膝関節は人体の中で最大の加重関節と言われており1),二脚歩行である人間においては安定性が要求されるだけでなく,可動域の広さも重要視される。特に日本人は,畳や床に座る生活や正座の習慣があるため,より良好な可動域が求められている。そのため,膝関節の可動域や役割が障害された時のリスクは非常に大きいと考えられる。
また,成人健常者では膝関節が障害された時,上肢や健側下肢を使い,生活動作を補うことが可能であるのに対して,高齢患者は加齢による全身的な機能の衰えや,特に筋力低下によって患側を補った生活動作を行うことが困難であると考えられる。本研究では,膝の屈伸運動を伴うトイレ動作への影響は大きいと予想したため,膝関節手術後で離床期にある老齢期患者のトイレ動作に注目し,トイレ動作にかかる時間と疼痛の関係を検討することにした。
今回の研究の対象者は1名であるが,膝関節手術後の患者が自立への第一歩であるトイレ動作を早期に獲得するためには,どのようなことを念頭に置きながら看護援助を行うことが必要なのか知るために,この研究を行いたいと考えた。
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