特集1 看護学生の論文 入選エッセイ・論文の発表
論文部門
SLE再発の不安を抱える患者が自分で再発予防していくための援助―パルス療法副作用により視力障害を生じた患者にカセットテープを用いて
大塚 裕子
1,2
1独立行政法人国立病院機構米子医療センター付属看護学校
2独立行政法人国立病院機構米子医療センター外科病棟
pp.665-668
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100341
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はじめに
全身性エリテマトーデス(以下,SLE)は,一般的に寛解と憎悪とをくり返す慢性疾患である。
私は臨地実習において,A氏を受け持った。2002年にSLEを発症し寛解したため外来受診していたが,2005年6月に再発し入院となった。入院中のパルス療法で急激に眼圧が上昇し,視力障害(左:全盲,右:0.02)が生じていた。徐々に病状は改善されたが,入院中ベッドで安静にしていることにストレスを感じていた。ストレスはSLEの憎悪につながる要因にもなる。不安を理解しストレスを和らげようと,A氏の話に耳を傾け手に触れ,ともにいる時間を大切にした。
A氏は退院後も再発の不安の中,生活しなければならない。そこで私は再発を予防するために,退院時にその方法をカセットテープに入れて渡した。不安な時は,いつでもテープを聴いて,傍に看護師がいるという精神的な支えとなりたいと思ったからである。退院後,新たな不安を生じていないか,電話で確認したところ,不安を軽減できていたため報告する。
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