連載 教え,伝える現場・5
誰ひとりとして排除しない―横内 猛さん
永井 祐子
pp.367-370
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100248
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
囲碁というと,お年寄りや定年後の趣味と思いがち。しかし,千葉県柏市では囲碁をつかって,人づくり,地域づくりがさかんに行われている。その仕掛け人は,元新聞記者の横内猛さん。小学校の体育館で,子どもたちと地域の大人たちが1つの碁盤を囲んで一緒に笑っている。はしゃいでいる。囲碁のどこに皆を結びつける力があるのだろう。
「今日は遅くなるので,夕食の準備をしてから来たんですよ」。
30代半ばで大手新聞社をきっぱり辞めて妻と家事を交代し,主夫になった横内さん。掃除,洗濯,夕飯の仕込みなど,家事の8割以上を担当しているという。子育てのかたわら子ども会や高齢者福祉のボランティア活動をしているうちに,コミュニケーション不全で切れてしまった人間関係を目の当たりにし,人間関係を結ぼうと考えた。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.