書評
—木村 猛明著—成形と私
S・K
pp.18
発行日 1954年3月1日
Published Date 1954/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200559
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いろいろな書物の標題には,それを見るとすぐに内容がどんなものだか判るようなものもある.しかしその反対に,題を見ただけでは,何の本だかちよつと判りかねるのもある.この著書などは,おそらくその後者,すなわち題を見ても何の本だか判りにくい方の部類に属するであろう.
「成形と私」の「成形」とは,詳しく言えば胸廓成形手術のことである.肺結核に対する有力な外科治療法として,近ごろは広く多数の患者に行われ,これのお蔭で健康をとりもどし,再び活動ができるようになつている人さえも少くないから,胸廓成形手術という名前についてはこれ以上説明することはないであろう.「私」というのは著者,すなわち国立結核療養所,村松晴嵐莊の所長,木村猛明先生である.木村氏はすでに十数年前から胸廓成形手術を同療養所に採用せられ,この道の先覚者の1人と目される人である.
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