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麻疹・風疹のワクチン 麻疹排除の維持と風疹排除に向けて
多屋 馨子
1
1国立感染症研究所感染症疫学センター
キーワード:
遺伝子型
,
風疹
,
麻疹
,
麻疹ウイルス
,
有病率
,
予防接種
,
厚生労働省
,
診療ガイドライン
,
麻疹-風疹ワクチン
Keyword:
Genotype
,
Measles
,
Measles virus
,
Rubella
,
Vaccination
,
Prevalence
,
Practice Guidelines as Topic
pp.865-872
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016024563
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2015年3月27日,わが国は,WHO西太平洋地域事務局から麻疹の排除状態であることを認定された.年間推定患者数20~30万人といわれた2000~2001年の流行から約15年,2007年に麻疹に関する特定感染症予防指針が告示されてから7年3ヵ月である.わが国の麻疹排除達成は,医療機関,自治体,保健所,地方衛生研究所,学校,保育所,検査機関,ワクチン製造販売機関,報道機関,学会,医師会など,国民一人一人が力を合わせた成果である.誰一人として欠けていたら達成は困難であった.今後はこの状態の維持に努めることが重要であり,麻疹対策は引き続き必要である.麻疹排除に向けた取り組みからバトンを受け継ぐのは風疹排除に向けた取り組みである.2020年度をわが国の風疹排除の目標年にしている.麻疹風疹混合(measles rubella:MR)ワクチンによる定期の予防接種率を第1期,第2期ともに95%以上にして,成人男性に多く残った風疹感受性者を減らすことがまず喫緊の課題である.
©Nankodo Co., Ltd., 2015