特集 災害看護学構築に向けて・2
学士教育における「災害看護」―教育活動を通して開発した内容と方法
小原 真理子
1,2
1日本赤十字看護大学
2前日本赤十字武蔵野短期大学
pp.228-232
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100237
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はじめに
国内外で多発する災害に対し,災害看護学の確立が求められ,災害救護活動の実践報告から普遍性を模索しながら,学問体系化に向かっている。看護基礎教育の段階では,学生に対して災害看護の基礎的知識・技術・心構え・行動力をどこまで習得させるべきか,またどんな可能性があるのか,今まで筆者が8年間継続し開発を行ってきた災害看護の教育内容と教育方法について論じる。筆者は2005年度から日本赤十字看護大学に移籍したが,災害看護教育の実践例は,今まで所属していた災害看護教育方法の開発の舞台である日本赤十字武蔵野短期大学(以下,本学)で展開したものである。
本学では,1997年の看護教育カリキュラムの改訂を機に,広く災害救護活動の中から災害看護の役割を理解するために,1998年より2年次の看護専門必修科目に「災害救護論」60時間(2単位)を設置した。設置の意図は,赤十字の使命としての災害救護活動,阪神・淡路大震災後の災害医療・災害看護の見直しに対する社会のニーズ,国際化に伴う人材育成のニーズを反映している。さらに1999年から3年次の各論実習において,成人看護学実習の中に災害救護実習40時間(1単位)を導入し,継続させてきた。
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