特集2 5日間の集中ゼミナールで学ぶ看護倫理
「看護倫理II・III」における集中ゼミナールの内容
中込 由美
1
1相模原病院附属看護学校
pp.655-659
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100105
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はじめに
看護師養成所指定規則では,「講義・実習等は2895時間以上を行う」とある。また,運営に関する指導要領の教育の基本的なあり方には「人々の多様な価値観を認識し,専門職業人として共感的態度および倫理に基づいた行動ができる基礎的能力を養う」と示されている1)。しかし現状では,倫理に関する教育は看護学校の自由裁量に任されており,問題点として,教育内容や方法の明確な見解の一致がないことが指摘されている。
相模原病院附属看護学校(以下,当校)は,2910時間でカリキュラムを組み,看護倫理に60時間を費やしている。他の科目に比べて多いとはいっても全体のわずか2%である。しかし,後に述べるように,3年間の教育カリキュラムの節目ごとに学習をする科目となっている。60時間の内訳は,「看護倫理I」30時間,「看護倫理II」15時間,「看護倫理III」15時間である。「看護倫理III」(「看護倫理II」)の5日間は,「看護倫理III」(「看護倫理II」)だけに集中できるようにカリキュラムを組み,他の授業は入れていない(表1)。
2年生の場合,臨地実習は基礎看護実習2単位90時間と各論の3科目6単位270時間の実習を経験している。学生たちは,2年次の科目試験を終えた後の3月,「看護倫理II」が始まる。
3年生の「看護倫理III」の場合,すべての臨地実習を終えた後の12月に始まる。
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