特集2 5日間の集中ゼミナールで学ぶ看護倫理
「看護倫理」授業における「構え」と「段取り」
杉山 倫也
1,2
1相模原病院附属看護学校
2横浜美術短期大学
pp.660-664
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100106
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はじめに
私は相模原病院附属看護学校に「看護倫理」という名の授業ができて,3年目(2000年度)から5年間にわたり,グループワークと発表会を指導してきた。その指導の実際については,本誌に「『きつい作業』がもたらす進歩」として報告した1)。この授業において,学生の総合的な能力を伸ばすため,さまざまな点に工夫している旨を報告した。とりわけ次の3点である。
1)学生は自らの経験を「語る」ことによって,真剣に考えざるを得ない状況に追い込まれる。
2)それをめぐって「質疑応答」「調べる」「読む」「書く」「発表する」といった総合的な作業を行う。
3)1),2)を5日間集中して行う。この授業だけに集中して時間を費やす。
「看護倫理」という授業科目を設置するだけでは,「教育目標」の「倫理的態度を養うこと」は難しい。また「看護倫理」授業として単に,上記1)2)3)を行っても同様である。1)2)3)は授業の骨組みを示したにすぎない。現実には,さまざまな要素が絡みあって成立しているのである。
本稿では,「看護倫理II」を事例に,「さまざまな要素」となる「構え」と「段取り」を紹介する。
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