連載 私の一冊・6
看護教育への活用─臨床知を学ぶために
井上 智子
1
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
pp.594-595
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100089
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- 文献概要
この度,機会を得てパトリシア・ベナーらの『ベナー 看護ケアの臨床知―行動しつつ考えること』(原題 : Clinical Wisdom and Intervention in Critical Care─A Thinking-In-Action Approach)の翻訳・監訳という経験に恵まれた。
本書は,ベナーほか2名の研究者による,クリティカルケア看護師へのインタビューと参加観察をもとにした,「臨床知」に関する研究報告書である。その内容は,名著『from Novice to Expert(邦訳:ベナー 看護論 達人ナースの卓越性とパワー,医学書院)』の流れをくみ,看護の「明確化」の作業を引き継ぐものといえる。ちなみに,ベナーは明確化の作業について「当たり前と見なされている実践や,熟練した技術やノウハウ,優れた看護実践の概念などを,記述し,描写し,それに言葉を与えること」と述べている。
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