連載 現場に技あり!(最終回)
臨床の知・受動の知と精神科看護
萱間 真美
1
1東京大学大学院医学系研究科精神看護学分野
pp.66-70
発行日 2000年11月15日
Published Date 2000/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900321
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この連載の目的は,精神科看護の臨床の技術を言葉に,文字にすることにあった。看護は,その場,その場におけるケアするものとケアを受けるものの相互作用の積み重ねであり,見て,聞いて,語り,語られ,身体に触れ,触れられるすべての感覚によって形作られる。看護学という学問がもし成立するとしたら,このようなすべての感覚を持って作られる瞬間の積み重ねに命名し,何らかの意味を与えることに他ならないと思う。
精神科看護の対象は,決して抽象的なものではない。食べること,飲むこと,呼吸すること,排泄すること,着ること,洗うこと,眠ることといった日常の出来事である。
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