連載 理論構築を学ぶ─看護現象から知を生むために・1【新連載】
看護の知
(コラム)坂下 玲子
1,2,3
1兵庫県立大学看護学部
2兵庫県立大学大学院看護学研究科
3兵庫県立大学看護学部臨床研究支援センター
pp.74-81
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201345
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本連載のねらい
看護現象は複雑で混沌としたものであるが,だからこそ,それを照らし出し,効果的な実践を導くために看護理論が必要である。いままでの日本の教育では,看護理論を「知り・使う」ことに関心が払われてきたが,「つくる」ことには焦点が当てられてこなかった。現象から理論を生み育てるために,理論看護学がある。理論看護学とは,「看護のありよう」を探求する学問だと私は捉えている。本連載は,看護領域の知を発展させるために必要な学問である理論看護学についての概要を解説し,理論構築の方法を示すことにある。連載予定を表1に示す。
第1回の今回は,看護はどのような知で成り立っているのか,理論構築はなぜ必要なのかを中心に,その概要について述べる。第2回は,これまでの看護理論構築の歴史を振り返る。第3,4回は,理論を分析しクリティークを行ない,評価する方法を紹介する。第5回は概念構築,第6〜9回は理論構築の実際について紹介する。第10〜12回は,実践,研究,理論の連携と展開のさまざまな実例を紹介し,また今後の可能性について示したい。本連載を通じて,看護実践の向上に理論構築や研究が関連し合い貢献する具体像を示せたらと願う。
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