特集 地域保健活動の焦点—21世紀を目前に
II章 保健所は強化されたか—地域保健法施行後の活動総括
中核市・政令市保健所の活動
西牧 謙吾
1
1堺市北保健所
pp.1022-1027
発行日 1999年11月25日
Published Date 1999/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902969
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はじめに
平成11年4月1日現在の中核市・その他政令市は35都市43保健所である。来年にはほとんどすべて1市1保健所体制となる予定である。中核市に移行した市が着実に増加し,地方分権は少しずつ進んでいる。地域保健法改正から5年経過し,都道府県だけでなく政令市においても,当初の予測に反して本庁部門を巻き込んだ形で保健所の統合再編が進み,結果的に政令市の方が行政改革や介護保険の影響をより多く受けたといえるかもしれない。
健康危機管理体制を考えるとき,保健所政令市制度は十分機能するのか。地方分権推進という考えが,広域的対応を求められる公衆衛生活動と保健所政令市制度の中でうまく両立するのだろうか。直接サービスの比重の高い政令市で,保健福祉の連携を担保しながら保健所の機能強化が可能なのか。中核市最大の堺市が,地域保健法まで複数保健所体制下で歩んできた歴史をふまえて,平成12年からの1保健所・6保健センター体制下でどのように強化されるのかを検証することで,その答えを見つけたい。
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