特集 母子保健計画を活動にどう生かすか
住民参加による母子保健計画—参加型計画手法の応用とその効果
佐藤 菊子
1
,
菅原 栄子
1
,
瀬戸 俊一
1
,
小島 光洋
2
1宮城県若柳町保健福祉課
2宮城県栗原保健所
pp.1014-1023
発行日 1998年11月10日
Published Date 1998/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902924
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要約
宮城県栗原保健所管内では,平成8年度の町村の母子保健計画の策定にあたり,「参加型」計画手法を導入し,住民が計画策定に「参加」した。「参加型」とは,専門家が住民とともに状況を把握し,次に住民が目標を設定し行動を起こしていくのを支援することである。PCM手法を参考にして,参加者が意見(アイディア)を書いたカードをボードに貼り出し,参加者全員のチーム・アプローチによって分析を進める視覚化の手法を採用した。このチームに保健従事者とともに住民の代表が加わった。
策定された母子保健計画は,系図やフローチャートなどにより計画の基本概念が視覚的に記載された結果,住民にとってわかりやすいものとなった。また,策定された計画の中に,「行政が対応すること」ばかりでなく,「住民が対応すること」も記載され,計画策定における「参加型」の導入が地域保健活動への「住民参加」を促進するように考えられた。
一方,専門家(保健従事者)の側には,プラス思考を促し,関係者間でのテーマの共有が図られ,住民とのコミュニケーションが促進されるといったインパクトが見られた。
若柳町の策定プロセスを振り返ることで,PCM手法の分析・立案過程がどのように応用されたか,その影響がどのように現れたかなどについて考察した。
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