特集 母子保健計画を活動にどう生かすか
母子保健計画策定の効果を考える—母子保健計画を活動に生かすために
藤内 修二
1
1大分県佐伯保健所
pp.1008-1013
発行日 1998年11月10日
Published Date 1998/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902923
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要約
全国の2849自治体の母子保健計画の調査により,母子保健計画を策定したことによる母子保健事業への直接的な効果として,①新規の事業が開始される,②既存の事業の事業量(回数,場所)が増加する,③既存の事業の実施方法が改善される,④予算やマンパワーが確保されるの4つが指摘された。これらの効果が発揮されるためには,①母子保健計画の行政計画としての位置づけ,②議会での承認,③計画の住民への周知,④具体的な事業や評価指標の記載,⑤実施計画もしくは実施要領の記載,⑥年次計画の記載,⑦進行管理体制が重要と考えられた。
また,計画への記載がなくても計画策定による波及効果として,①既存の事業の実施方法が改善される,②事業の実施における関係機関との連携がスムーズになる,③母子保健に関する情報の行き来が増加する,④住民の主体性が向上するの4つが挙げられた。これらの波及効果が発揮されるためには,①計画策定に際しての学習,②実態調査に伴う「知る」喜び,「発見」の驚き,③計画づくりや政策づくりという共同作業の楽しさが重要と考えられた。
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