特集 母子保健の明日—変わる育児環境と母子への援助
母子保健計画の考え方と進め方
岩澤 和子
1
1厚生省児童家庭局母子保健課
pp.342-345
発行日 1996年5月10日
Published Date 1996/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901352
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はじめに
平成9年4月から,母子保健行政は新しい推進体制で展開されるが,市町村・保健所・都道府県それぞれの役割と実施体制については,母子保健事業マニュアル(平成7年10月母子保健課長通知)の中で示されたところである。市町村の役割は,妊娠,出産,育児その他健やかな子育てに関する現状分析と今後の望ましい方向性などについて検討を加え,地域の母子の健康や生活環境の向上を図るための体制の確立に向けた母子保健計画を作成することとされた。一方,都道府県の設置する保健所の役割は,企画および調整機能の1つとして,広域的母子保健計画の策定を通じて,これを将来の施策に反映させる他,地域における母子保健,医療,福祉システムを構築し,母子保健医療福祉体制の確立に努めることとされた。
都道府県から市町村への権限移譲によって,母子保健事業の一元化がなされるわけだが,基盤整備として,①体制の整備:母子保健連絡協議会などの設置,②母子保健計画の作成,③人材の確保,④人材の資質の向上,が必要である。母子保健計画の作成は,基盤整備の1つと位置づけられている。そこで,本稿では,市町村母子保健計画の作成にあたっての基本的な進め方を中心に述べたいと思う。
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