発言あり
保健行政における住民参加
Y
,
H
,
M
,
S
,
I
,
赤星 一郎
1
,
青山 英康
2
,
石田 宗治
3
,
金子 光
4
,
仲村 優一
5
1九州中央病院
2岡山大学衛生学
3石川県衛生部
4元東京大学保健学科
5社会事業大学
pp.389-391
発行日 1971年7月15日
Published Date 1971/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204285
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参加可能の形態は住民運動
住民参加ということばは,当世流にいえばいわゆる「カッコいい」ことばのひとつである.カッコいいことばは,とかく内容を伴なわないままで空虚なスローガンと化する危険性を常に内蔵している.「福祉国家の確立」,「社会保障の充実」等々,みんな同じことである.そのことば自体が繰りかえしお題目のように唱えられただけで,何か効能があったかの錯覚をおこさせるのである.
しかし,他人事としてではなく,私という他ならぬひとりの住民が,私の住んでいる地域社会での保健行政との関係で,住民としてそれに参加するとはどういうことなのかと考えてみると,これほどわからないことはないし,これほど実体のない概念はないことに気がつく.住民参加ということばは,ひょっとすると,住民不参加にベールをかぶせるための合理化の手段でしかありえないかもしれないのである.
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