特集 母子保健計画を活動にどう生かすか
全国の母子保健計画の優秀事例から学んだもの
田上 豊資
1
1高知県健康福祉部健康政策課
pp.997-1001
発行日 1998年11月10日
Published Date 1998/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902921
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はじめに
地方分権の推進,財政構造改革の推進という大きな流れの中で,母子保健事業や老人保健事業の補助金の一般財源化が急速に進んでいる。この流れは,厚生行政全般にわたっており,市町村にとっては,立て続けに責任だけ増えるが実質的には歳入が減少するという厳しいものとなっている。しかしながら,このことは,これまでの補助金による縛りやコントロールがなくなったことを意味しており,市町村が,地域の実情に即した取り組みを自ら創意工夫して実施できる,また実施しなければならない時代に突入したとも言えよう。
地域保健活動を効果的に推進するためには,地域住民,さまざまな関係機関,行政の3者が,健康を守るために取り組むべき課題や進むべき方向について共通理解し,それぞれの役割を明確にした上で共同して活動を進めることが必要である。計画づくりは,その第一歩でありコンセンサスづくりの手段であり協議の場と考えられる。しかしながら,これまでの計画づくりの多くは,保健分野に限らず,「計画書づくりそのものが目的化し,具体的な実践につながらない計画」「労多くして益少ない計画」になりがちである。
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