特集 計画づくりの理念と方法
市町村母子保健計画の評価と計画づくりの留意事項
田上 豊資
1
1高知県健康福祉部健康政策課
pp.702-705
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901964
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地域保健活動を効果的に推進するためには,地域住民,様々な専門職や関係機関,行政が健康を守るために取り組むべき課題や進むべき方向について共通理解し,それぞれの役割を明確にしたうえで共同して活動を進めることが必要である.計画づくりは,その第1歩でありコンセンサスづくりの手段であり協議の場と考えられる.しかしながら,これまでの計画づくりの多くは,保健分野に限らず「計画書づくりそのものが目的化し,具体の実践につながらない計画」,「労多くして益少ない計画」になりがちである.
平成9年度厚生省心身障害研究「市町村母子保健計画の評価に関する研究」の中で,厚生省に提出された2,849の市町村母子保健計画を研究対象として,一定のフォーマットに基づいて評価するとともに,全国の都道府県に推薦していただいた優秀事例について,特に計画策定のプロセスに着目しながら訪問調査を行い,望ましい計画づくりの要素について検討した(表1,2).本稿では,その研究成果を踏まえながら,今後,地域保健従事者が老人保健福祉計画,母子保健計画の見直しや新たな計画策定に着手する際に留意しておくことが望ましいと考えられる事項と今後の検討課題について私見をまじえて整理してみた.
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