特集 いま,医療に何が起こっているのか—保健と医療の新たな関係
日本版ヘルスケア・リフォームと今後の保健活動—2つの実証研究を踏まえて
川渕 孝一
1
1国立医療・病院管理研究所医療経済研究部
pp.684-691
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902823
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現在,わが国では本格的な高齢化社会を前にして「保健・医療・福祉の連携」と「医療費の適正化」という言葉がキーワードになっている。まさに,わが国はヘルスケア・リフォームに直面しているわけである。厚生省によると,95年度に社会保障制度を通して国民に支払われた金額(社会保障給付費)は65兆円になるとしている。そのうち年金が34兆円,医療が24兆円となっている。つまり,この2つで全体の約9割を占めるわけである。そこで制度間の連携による無駄の排除などを検討すると同時に,年金制度と医療保険制度をどのように改革するか,つまり,社会保障費の効率化に向けた大きな課題がこれから始まると考えられる。
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