特集 病院のリフォーム
今,なぜリフォームか
紀伊國 献三
1
Kenzo KIIKUNI
1
1筑波大学医学専門学群社会医学系
pp.23-25
発行日 1988年1月1日
Published Date 1988/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209207
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リフォームとは
「病院のリフォーム」とは耳新しい言葉である.「リフォーム」とは,「形を変える」ということから生まれたものであろう.我々の周辺をみても形を変えることは様々なところでみられている.最も身近なところでリフォームという言葉から思いおこすことは,「洋服のリフォーム」という言い方が一番定着した使い方ではあるまいか.洋服が小さくなったり,古くなったりして放置しているものを,もう一度形を変えることによって再生しようというところから,リフォームという言葉が使われてきたようである.このことは,「病院のリフォーム」を考える時にも重要な点であろう.
第1に,なぜ「洋服のリフォーム」が必要なのだろうか.背が伸びた,太った,というような理由によって古い洋服が合わなくなったからである.人口の高齢化,保険制度の変化,技術の発展などによって,病院は成長し,構造的に対応できなくなった時,リフォームが考えられた.それは主として建築的,設備的なリフォームである場合が多かった.社会の変化に対応し,それに応えるのに,最も能率的な容れ物はどういうものかという追求から生まれたリフォームであると言えよう.病院の果たすべき技術の量的な増大に対処する考え方である.
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