特集 保健婦批判—あなたはどう思う
[保健婦批判は妥当か]
臨床能力の欠如について考える
鳥海 房枝
1
1東京都北区衛生部
pp.768-770
発行日 1995年10月10日
Published Date 1995/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902788
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はじめに
保健・福祉の統合あるいは連携を基本にして,各自治体が作成した老人保健福祉計画は実行段階に入り,動き始めている。このことにより対象者へのこれまでの援助内容は,介護福祉士(ホームヘルパー)・看護婦・保健婦とでどう違うか。また,今後どのようにそれぞれが役割を担っていくのが合理的か,といった整理と位置づけをすべき時期にきていると考える。
このような状況の中で,「保健婦の訪問は,単に言葉だけの“指導”が多く役に立たない。せめて臨床経験2〜3年は必要である」といった声を,主に医師を中心とする医療従事者側から聞くようになった。これは援助対象者の中に,胃チューブ・バルンカテーテル・気管カニューレ(人工呼吸器も含む)・IVHなどの医療機器を装着している人々が増加するようになって特に言われだした。そして,保健婦にこれらに対応する臨床看護技術が欠如しているとして,臨床経験の重要さを指摘しているのであろう。
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