特集 保健婦批判—あなたはどう思う
[保健婦批判は妥当か]
政策立案能力の欠如について
龍野 由子
1
1長野県信濃町社会福祉協議会
pp.787-790
発行日 1995年10月10日
Published Date 1995/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902794
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本特集の構成内容を見て腹が立った。「保健婦批判」はおおいに結構である。批判は本来充実発展のためのコールであり,叱咤激励である。「保健婦さん,社会はこんなにもあなた方に期待していますよ,頑張って」……熱っぽい声援から起こった批判は,多くの保健婦たちを奮い立たせる。
ところが,現在の保健婦をとりまく状態について直感でものを言わせてもらえば,どうもムードは冷ややかなもののようである。当の保健婦を塀の外に置いて反論を言わせず,都合のよいメンバーが一方的に“意欲がない”“能力がない”“頭でっかちの役立たず”などと合唱しているようである。合唱隊構成員の多くは「社会的権威者」である。この人たちの一声は,保健婦が束になって発声したところでビクともしないのは明白である。本特集10のキーワード大合唱のねらいは「公衆衛生の抹殺」と邪推するのは,うがちすぎだろうか?
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