特集 児童虐待に介入するための視野と技術
【児童虐待に介入するためのノウハウ】
児童虐待を予防するためのスクリーニング・介入システム
中板 育美
1
,
東條 敏子
1
1東京都南多摩保健所
pp.1036-1043
発行日 2001年12月10日
Published Date 2001/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902542
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親が子を虐待するに至る背景には,夫婦間の問題や経済的問題などさまざまな要因があり,これらが複雑に絡み合っている。また,虐待者自身が自ら援助を求めることは少なく,孤独に陥っていく傾向がある。そのため,児童虐待に対応し,援助するには,医療,児童福祉,保健などさまざまな分野の連携を強化し,適切な対応策を立てることが必要となる。そのなかで保健分野では,虐待の発生予防,早期発見,早期対応,親と子への継続的援助を予防的視点で取り組むことの重要性が指摘されはじめたところである。
南多摩保健所では,既存の母子保健システムを有効に活用して,子どもの虐待予防システムを地域に構築することを目指した「子どもの虐待予防活動の展開」事業を実施している。本稿では,この事業の実施経過とそのなかで得られたいくつかの示唆を報告する。
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